ファビアーノ・シェルナー:ペイジ・ヴァンザントに試合を続けさせた理由

https://www.mmafighting.com/2018/1/16/16895976/coach-explains-why-he-let-paige-vanzant-fight-with-a-broken-arm-ufc

By Guilherme Cruz@guicruzzz Jan 16, 2018, 9:00am EST

ペイジ・ヴァンザントは、ジェシカ・ローズ・クラークを相手にUFCで初めての判定負けを喫するが、2ラウンドで腕を骨折していたことを明かすとMMA界から多くの賞賛を得た。

負傷した状態で戦い抜き、2ラウンド後半にはサブミッションからエスケープもしているが、最終的には判定で敗れてしまう。

ヴァンザントは、3ラウンンド開始前にコーチのファビオ・シェルナーに負傷している事を告げている。シェルナーはなぜ試合を止めるようアドバイスをしなかったのか。

シェルナーはMMA Fightingにこう説明した。

「クリンチされないように距離をとって、ボクシング、キックボクシングを使うように言ったら、彼女は『腕が折れた』って言った。痛みはないっていうから、ヒビが入ったのかと思ったんだ。ヒビが入っても骨折と同じ様に痛み時があるから。彼女は1ラウンドで折ったって言ったけど、スピニング・バックフィストは2ラウンドに出していることを忘れていたんだ。」

「2ラウンドの様子から、深刻ではないって思った。彼女は戦い続けていたから、気がつかなかったんだ。コーナーの他のコーチにも折れてるかどうか意見を求めたけど、彼らにもはっきりとしたことは言えなかった。彼女に右で打撃を打つように言い続けたけど、彼女がパンチを打っていないのを見て、自分が思っていたよりも深刻だって悟ったよ。」

「彼女が三角を練習通りに防がなかった理由も分かった。試合前にも防御の練習をしていたのに。骨折のことを知って納得がいったよ。」

3ラウンド、ヴァンザントがパンチを出していないことに気づいたが、シェルナーはタオル投入はしなかった。

「試合がどうなるか様子を見ようと思った。右手を使っていなかったけど、彼女の表情を見たら、痛みとかは感じていないようだったから。だから、深刻だけど、続けられると考えた。タオル投入は考えなかった。試合後に話をして、それからX線を見て、自分の判断について彼女に謝ったよ。彼女は、『正しい判断よ。私は試合を続けたかったし、もし試合を止めていたらがっかりしていたと思う』って言ってくれた。彼女が続けることを望んでいたから、正しい判断だと思う。」

「続けたいかどうかは訊かなかった。そうすることで、彼女が自信をなくしてしまうと思ったから。言っておきたいのは、試合を続けさせたのは私の判断で、もしそのことで事態が悪化していたとしたら、全ての責任は私にある。でも、私にとって大事なのは、彼女がその判断をどう思ったかなんだ。彼女はその判断に満足している。彼女はそれが正しい判断だと思っている。私にとってはそれが大事なことだ。」

ヴァンザントは、ポートランドの整形外科で他に負傷がないか、手術が必要かの診断を受ける予定だ。

「彼女は若いから直ぐに治る。でも、今後のキャリアで問題が起きないように正しい手順を踏まないといけない。」

今回の判定負けでヴァンザントのMMA通算戦績は7勝4敗、2014年のUFC参戦後は4勝3敗となった。それでもシェルナーは、あれほどの負傷を負って試合をしたことでファンから大いに認められたと考える。

「なぜ彼女がUFCにいるか疑問に思っている人間がいるとしたら、これが答えになった。彼女は戦うためにここにいる。UFCで腕が折れた状態で試合をしたのは彼女が初めてだと思う。鼻の骨とか、手とか手首なら見たことがあるけど、あんな風に腕が折れて戦ったのは彼女が初めてだと思う。正直、あの怪我であんな風に戦える人間はいないと思う。」

 

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