by Chuck Mindenhall Nov 22, 2016, 2:30pm EST
今年7月、UFC 200のメインイベントでブロック・レスナーに敗れた約一週間後、マーク・ハントは自身の不満を公にした。ハントはThe MMA Hourに出演し、UFCがレスナーに対し4ヶ月間の薬物テスト期間を免除したことを非難した。競技から長期間離れた選手に適用されるものだ。レスナーは、抗エストロゲン作用ヒドロキシ・クロミフェンで陽性反応となり、ネバダ州アスレチック・コミッション(NAC)によって、一時出場停止処分となった。
ハントはUFCに対し、レスナーのファイトマネーの半分を支払うよう要求していた。NACの発表によると、出場給は250万ドル。加えてペイ・パー・ビュー・ポイントもかなりの額だった。ハントはのちに、当初の2倍、レスナーのファイトマネー全額を要求。この状況のなか、UFC側は沈黙を続けていた。
数ヶ月たった今も、ハントは自身のスタンスを変えていない。ニュージーランド人ファイターのハントは7月の大会時にはUFCと話をしていなかったが、The MMA Hour出演後に話をしたという。
ハントは月曜、The MMA Hourでアリエル・ヘルワニに語った。「あの後、彼らから連絡があって、ブロック・レスナーの裁定プロセスが終わるまでは何も起こらない、その後に解決できるだろうって、そう言われたよ。今でも、このスポーツにはもっと厳しい処罰が必要だと思っているよ。格闘技では特に、ズルをする人間は許されるべきではない。相手にダメージを与えるスポーツで、故意にパフォーマンスを強化するような人間は、全てを失うべきだ。一銭も支払われるべきじゃない。処罰を受けて、裁判でも裁かれるべきだと思う。
「今も状況を変えようとしているし、公平な場にしようとしている。簡単なことじゃないけど、それが俺の目指すところだよ。今はその途中段階だ。」
42歳のハントは、総合格闘技界から違反者をなくすべきとの主張を続けている。過去数年、対戦相手に禁止物質の陽性反応が出てから特に声を大にしている。前回の対戦相手、フランク・ミアは、アナボリック・ステロイドの一種、経口トゥリナボールで陽性反応がでている。
2013年の年間最高試合の候補となった試合の対戦相手アントニオ・シウバは、高濃度のテステステロンが検出された。
こういったことがあり、ハントは状況の改善のために力を注いでおり、第三機関の米国反ドーピング機関(USADA)も全登録選手の検査している。ハントは、ミドル級王者マイケル・ビスピンなど、違反者の被害となった他のファイター達もより厳しい処罰を求めて声を上げるべきだと語る。
ハント:「ビスピンは王者になった。今こそ、このことについて、声を上げるべきだよ。まあ、彼は実際声を上げているね。でも、彼は処罰をより一層厳しくするようにルールを変える努力をして、ズルをしていない人間に公平になるようにすべきだ。」
ハントは、8月にこの件で弁護士を雇っている。しかし、こういった彼の行動に関わらず、UFCは通常通りに彼に試合のオファーを続けているという。
ハント:「UFCから2試合オファーがあったよ。相当の額を得る機会を失ったことになる。」
ハントにオファーされた試合の一つは、今週末オーストラリア、メルボルンで開催されるUFC 101の試合だった。ハントによると、UFCからジョシュ・バーネット戦をオファーされたものの、バーネットに禁止物質で陽性反応が出た場合はハントを保護する、という項目を試合契約に組み込むことを譲らなかったという。
ハント曰く、彼は「公平な環境」を求めているが、UFCは彼が提示した項目を受け入れていないという。
ハント:「他の試合のオファーもあったよ。カナダ大会でのJDS戦だったと思う。彼がドーピングをしていたら、ファイトマネー全額を俺に払うっていう項目を契約書に入れてくれるなら試合をするっていったんだ。」
「答えはノーだったよ。」
レスナーは11月10日にNACの公聴会が予定されていたが、12月以降に延期をしてる。ハントは、選手組合を作り、レスナーの即刻契約解除を求めることを考えている。彼は、何も解決されない場合は、UFCを訴えると語る。
ハント:「ブロック・レスナーの件で結果がでたら、すぐに代償を払って欲しいし、状況を変えたいんだ。そうじゃなければ、俺の契約を解除して欲しい。」
「公平な場を作る取り組みをしないで、しかも俺の気持ちが少しは楽になるように契約内容を変えないなら、それで試合をするのはおかしいよ。俺は契約から抜け出せないんだ。」
「俺からしたら、どうして俺の家族が利益を失うんだ?どうして、ドーピング使用者を追い払おうとしている俺が利益を失うんだって気持ちだよ。なあマーク、彼がドーピングをしているって前から知ってたじゃないかっていう人もいるけど、知らなかったよ。自分で彼のことをテストしたわけじゃないから。そうだとは思ってたよ。彼を見てみろよ。あれでステロイドを使ってないはずはないよ。WWEの選手だけど、WWEはエンターテイメント・スポーツで、本当の戦いじゃない。」
39歳のレスナーは、NACとは別に、USADAから1年の出場停止処分を受ける可能性がある。また、ユナニマス・デシジョンでの勝利は、「ノーコンテスト」になった。それでも、ハントは、このスポーツの性質を考えれば、パフォーマンス向上薬の使用者は、より厳しい処罰をうけるべきだと主張する。
ハント:「ズルをした奴らに2年間は十分な処罰じゃないよ。例えば、他の誰かと戦って目玉を取ってしまったり、殺してしまったら、2年間なんてなんの意味もない。本当に厳しい処罰であるべきだよ。格闘技なんだから。荒々しいスポーツなんだよ。」
ハント(MMA通算12勝11敗1分)は、レスナーに敗れるまで連勝中だった。Pride買収のプロセスでUFCに参戦してからの戦績は7勝5敗1分。ハントは日本で人気のファイターだったが、キャリア後半の活躍でUFCの人気選手となっていた。
UFCファンの人気、少なくともズッファとの関係は終わりになるかもしれないと語る。他の団体に移籍したとして、それはUFCよりも薬物テストが厳しくない団体になるだろう。それでも、その団体は彼の負けに加担するようなことなない、信頼できる団体だろうとハントは語る。
ハント:「俺を解雇してくれて、他に行けるとしたら、それほど検査が厳しくない団体で試合をすることになることは分かっているよ。UFCには資金がある。選手を一番手厚く保護できるはずなんだ。」
「それなのに、どうして彼らは選手に免除を与えるんだ?選手を常に守る、薬物テストを受ける際のサポートになるって言ってるのに、4ヶ月(テスト期間)を免除したんだ。馬鹿げているよ。」