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期待のファイター、ショーン・オマリーとの一戦は厳しいものだった。試合序盤にオマリーがスーカムタスをぐらつかせたが、スーカムタスは3ラウンドまで持ちこたえる。そして、3ラウンド、オマリーは突如片方の足が使えなくなる。
通常、対戦相手が大きな負傷をした場合、そこに漬け込んで楽に勝利するやり方がいくつかある。あの場面では、オマリーを負傷した足で立たせることだ。ただ驚くことに、スーカムタスはそうしなかった。残りの試合時間をグラップリングに費やしている。多くのファンやメディアは困惑した。コメンテイターのジョー・ローガンも試合中に自身の意見を口にしていた。ダナ・ホワイトも試合後の会見でその意見に同調した。
スーカムタスは批判から身を隠すことはしない。ただ、彼自身も何故あの行動をとったのかはっきりとは分からないという。
「もの凄く多くの人からごちゃごちゃ言われている。MMAで最もバカなファイターだって。UFC史上一番のバカだって。友人のラシャド(エヴァンス)さえも。みんな何故俺がグラウンドに行ったのか不思議がっているけど、俺も同じように不思議に思う。」
「グラつかされた後、それでも試合を続けた。でも少しクラクラしてぼんやりしていたんだ。あの一発が残りのゲームプランを狂わせた。意識がはっきりしていなかった。」
「本能で戦っていたんだと思う。本当に後悔している。俺はまずストライカーであって、レスリングはその次だ。あそこでやるべきことをやっていれば、楽に勝てたはずだ。」
それでもスーカムタスは、ネガティブな意見に落ち込むことはないと語る。
「何がまずかったか理解している。何をしたか分かっている。自分のミスを十分に生かして、そこから学ぶつもりだ。他人の意見に自分の人生の邪魔をさせない。こういうことはこれまでにも経験しているし、こんなことで落ち込まない。」