もう一度映像を見直さないけない。効かされたとは思わなかった。滑って、それで・・・あれはなんだったんだ?あそこから抜け出そうとしたけど彼が俺を捉えた。どうやってテイクダウンを取られたかは覚えていないんだ。全てがぼんやりしている。まだ試合直後だから。ガードをしようとして、何を間違えたのかわからない。体勢を変えようとしたけど、フェンス側だったから彼にバックを取られたと思う。多分。その後彼は両手でグリップをして、俺はグリップを離すことができなかった。ちゃんと映像を見てみないとね。ただ、最高の気分だ。
彼がタフなことは分かっていたから特に驚くことはなかった。パワーの問題ではない。俺もパワーはあった。今日はいつもより3キロ体重が重かった。いつもは大体89キロだけど今日は91.5キロで、「お、いいねー」って思ったしパワーもあったし、勢いもあって自分が優勢だと思っていたよ。何度かボディを効かせたのも分かったし、打撃も当たり出してきていた。彼のリアクションでボディを効かせたのは分かっていた。でも、彼はタフでパワーがある。自分にがっかりしたとは言わないし、キャンプもしっかりやって準備は整っていた。まあ、負けるのは嫌な気分だけど、同時に自分とチームに満足している。カイも良い勝ち方をしたし、ダンもエキサイティングな試合をした。彼のサイコぶりは観ていて楽しいよ。まあ、今日は俺の夜じゃなかった。今日強い方が勝った。
彼の打撃はだんだん見えてきていた。彼の打撃は強かったけどレッグキックのダメージはなかった。ただ強力だった。多分俺はもっとレッグキックとかジャブを使うべきだったかも。スタミナも問題なかった。彼が疲れてきているのは感じたけど、ただ、やっぱり彼は心が強い。ハートが強くて頑固だから、下がらない。まあ、それでも今日俺は歴史を作ったよ。これまで2連敗したことはなかったからね。ハハハ。まあ今後どうなるか様子を見よう。
どうしてもリベンジしたいって気分ではない。彼から沢山の尊敬を感じたし、俺もそれに応えた。彼が俺のファンだってことは分かっていた。俺も彼のファンになったよ。なぜならあの場所を共有したから。「今度はお前をぶち殺す」って伝えたら彼も「俺もお前をぶち殺す」だって。それでも常にそこに尊敬の念はある。ドリカスはアフリカ人のチャンピオン。俺たち三人(アデサンヤ、ウスマン、ガヌー)が時代を作ったように、彼が次の世代のアフリカ人ファイターに刺激を与える。だから今夜は彼を祝福する。また彼に会うときまで。
これも運命の一つだと思う。奇妙なことに全ての出来事には理由がある。これまで自分の思い通りにならないことがあったけど、後になってなぜそうだったかのか分かった。だからこれも運命だし、このショーをどう終わらせたいか、自分のやりたいようにやる。さっき言ったように、まだ先は長いよ。
(引退については?)
この先何が起こるかはわからない。彼が今後試合をしないかもしれないし、ここにいる皆だって明日どうなるかはわからないよ。だから、一つひとつの試合を最後の試合だと思って臨む。グローブを取ったのはきつかったから。彼の頭が固いから、殴った手が痛かっただけ。だから引退とは全く関係ない。引退するわけないだろ。自分でそうしたいと思うまで引退はしない。
ダンとカイが最高のパフォーマンスをして試合に勝利した。ダン・フッカーはとんでもないクレイジー・サイコパスだ。彼のことが大好きだ。あいつは漢だ。カイのフィニッシュも最高に美しかった。彼らのことを祝福したい。
前回の試合と違って今回は良いパフォーマンスをすることができた。自分のスキルを魅せることができた。だから、本当に最高の気分だよ。結果にはこだわっていない。自分のできることをできたし、自分が優勢だと思っていた。負けるまでは。だから、自分のことを誇りに思う。ただ、とにかく今回の結果は好きじゃない。それでも結果にこだわってはいない。自分のパフォーマンスを誇りに思っているよ。
ボディーを効かせたのはわかったけど、そこで一気に行かずに、ちゃんとコーナーの声を聞いて、相手を削っていった。感情もコントロールできていた。
俺のことをわからないやつにはわからないけど、この後はバーベキューをして楽しむよ。その後ナイジェリアに行ってリセットして、またジムに戻る。辞めるわけないよ。体調も最高だ。
前回は最低の負け方をして満足していなかったけど、今回は満足している。だから辞めない。グラップリングの技術を上げたい。見ての通りグラップリングは上手くない。今日は一度テイクダウンできたけどだめだった。グラップリングを上手くなりたいし、打撃もまだ上手くなりたい。また俺の試合を見ることになるよ。3ヶ月後とかではないけど、また見ることになるよ。今のうちに俺の試合を楽しんでくれ。いなくなってからでは遅いからね。
(ライトヘビー級は?)
いやそれはない。今の階級が好きだ。ライトヘビー級は挑戦のひとつだった。そういえばヤンからも応援の連絡があったよ。いいやつだね。総合格闘家としてミドル級で自分のスキルを活かして、いつかサブミッションも決めたいね。次に誰と試合をするかはわからないし、まだ考えてもいない。
(ヴォルカノスキーについて)
彼のことを人としてすごく尊敬している。お互いのファンだし背中を押しあっている。アンザック(オーストラリアとニュージーランド)のファイターに大きな貢献をした。アーロン、ナバホ・スターリング、コーディ・ハドン、カム・ロウストンもアンザックの選手だ。彼らがコンテンダーシリーズにでて次の世代に刺激を与える。俺ともう二人のキング、そしてドリカスがアフリカ人ファイターに刺激を与えたようにこの流れは続いていくし、俺はもちろん辞めないよ。でもそろそろ話をやめるよ。ありがとう。じゃあまた。
