もし負けたら引退をするかもしれないという気持ちになっていた。なぜならもう一度チャンスがもらえるとは思わなかったから。
そこまでたどり着くのは本当に大変だった。タイトル戦が組まれるように、俺のことを盛り上げてくれるような動画を作ってくれと皆に頼んだりもした。人にお願いをするのは嫌いだけど、でもそうしなければならなかった。なんとしてもタイトル戦のチャンスを手にしたかったから。そのためには何だってしたよ。
ファイトウィーク中はとても落ち着いた気持ちでリラックスできていたんだ。なぜなら俺にとって一番大変だったのはタイトル戦にたどり着くことだったから。つらかったのはギルバート・バーンズ戦。「なぜこの男と直前のオファーで戦わなければならないんだ」と思った。でも大きなリスクをとって三週間前のオファーをうけた。
レオン戦が決まって本当に安心したよ。ついにここまで来た、もう恐れるものはないとね。望んでいるものを手に入れたことで俺は解放された。だからケージの中ではリラックスしていた。バックステージにいる時もとても幸せな気持ちだったし、入場も楽しめた。ケージの中でも笑顔がこぼれそうになる程だった。お前にはタイトル戦の機会は与えられない、そう言われてきた。でもそのチャンスを手にしてそこに立っていたんだ。解放された気持ちになったことで過去最高の戦いをすることができたよ。
