イジーとはいい関係なんだ。彼に対しては尊敬しかない。彼のチームのことも尊敬している。試合後に彼と話す時間があったのは良かった。ファイトウィーク中はずっと、相手チームとの間に張りつめた空気があるから。そういうのは僕のスタイルじゃないし、僕は頑張って試合を売ろうとはしない。目の前にいる対戦相手を倒すこと、勝つことに集中している。試合後に彼は僕のところに来てハグをして、フランシス(ガヌー)のことについて少し話をした。「サウジで会おう」って言ったよ。
彼は僕にこう言った。「君は彼(ショーン・ストリックランド)の命を救ったね」と。「どうして?」と答えた。すると彼はこう言った。「君は俺が何を狙っているか、ずっと叫んでいた。君の声が聞こえたよ。セットアップするたびに君は叫んでいたね」。そう言われて光栄だったよ。なぜなら、彼はまるで魔法使いで、彼から多くのことを学んだから。何年もかけて、彼を研究することで多くのことを学んだ。攻撃面だけではなくて、ディフェンスのことも彼から学ぶことができた。イジーのことも、彼のスタイルも大好きだ。あのスタイルの選手で過去最高レベルだと思う。だから、彼とあの時間をもてたことは嬉しかったよ。
ショーンはイジーの動きに魅惑されてしまった。イズラエル・アデサ二ヤを目の前にして、彼のフェイトに惑わされてしまった。(ダウンを奪った時)ショーンから大量のアドレナリンが出たかもしれないね。僕は席から立ちあがることさえなかったよ。あの時は二つのことを考えていた。フィニッシュ勝ちになるかもしれない。その場合は祝福をしよう。そしてもう一つは、このままラウンドが終わるかもしれない。その場合は、ショーンに伝えなければならないことがあると。イジーのセットアップに僕は気付いていた。それが見えた。感情的になっている場合ではなかった。これをショーンに伝えなければ、イジーは彼をノックアウトしてしまう、危ないと思った。あの瞬間は僕の声は彼に届かなかったかもしれない。イジーがサウスポーからのヘッドキックを狙っている。それを彼に伝えなければと思っていたんだ。
イジーがサウスポーの構えから攻撃をするときに、右手のパーリングだけでしのぐのは止めるように伝えた。ショーンの腕が何度も下がっていることに気がついたから。パーリングをして腕がさがったところに、そこにハイキックがくる。ラウンド中は、「ヘッドキックに気をつけろ。後ろからくるぞ」って叫んでいて、イジーにはそれが聞こえていたらしい。
テイクダウンに行かずに打撃だけで戦う予定ではなかった。色々なことを混ぜて戦わないといけないと思っていた。でも、彼をテイクダウンしてそのまま押さえつける、っていうのはゲームプランではなかった。テイクダウンでイジーのリズムを崩そうと考えていた。イジーはリズムに乗って戦うからね。それで、彼のリズムを狂わせるための方法を5つほど用意していた。どういうことかというと、イジーはフェイントがすごく上手くて、彼の打撃の多くはフェイントからセットアップされているから、オーケストラの指揮者を崩そうと考えたんだ。指揮者の手から指揮棒を奪ってしまおうと。彼のタイミングとリズムを崩せれば、僕たちにチャンスがあるから。至近距離で戦ってカウンターを合わせることで、彼のリズムを崩すように指示をしたよ。