Dave Doyle@davedoylemma Oct 28, 2016, 12:00p
ペイジ・ヴァンザントが若くしてなし得た成功について、ミシェル・ウォーターソンは悪く言うことはないだろう。
22歳のヴァンザントは、未だチャンピオンシップ・コンテンダーにはなっていないものの、UFCのほとんどの選手よりも人気のあるスターだ。ゴールデンタイムにテレビ放映された「ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ」への出演によって、それまでよりもだいぶ有名になった。
ウォーターソンは月曜日にThe MMA Hourに出演し、こう語った。
「素晴らしいことだわ。彼女が『ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ』に出演した時にツイッターでメッセージを送ったと思う。『プレイヤーを責めるな、システムが悪い』っていう言葉があるけど、彼女のことは責められないわ。彼女は美しいし、素晴らしいダンサーよ。」
しかし、“ザ・カラテ・ホッティ”にヴァンザントの格闘技スキルをどう評価するか質問をすれば、話は変わってくる。Invicta元アトム級王者のウォーターソンは、サクラメント開催UFC of FOX 22のメインイベントでヴァンザントと対峙する。
ウォーターソンは、ヴァンザントがダンスをするように戦うことはできないという。
ウォーターソン:「格闘技の技術に関しては、素晴らしいとまでは言わないわ。彼女はハングリー精神でここまできた。」
さらにこう続けた。「彼女は戦いの全局面でまだまだ未完成だと思う。必ずしもそれが悪いことではないけど。彼女のこれまでの試合はダンスのようだった。ダンスをする相手は、何をしているか理解できないと、混乱することになるの。リズムを狂わされるの。それこそがペイジが試合でしてきたことよ。彼女のスタイルはすごく不規則で予想できなくて、それで対戦相手が混乱していたの。」
もちろん、ウォーターソンは、対戦相手の心配をしている場合ではない。ペイジ・ヴァンザント戦の前は、2年間で1試合しかしていない(2015年7月アンジェラ・マガニャ戦。1ラウンド、サブミッションで勝利)。
この試合以外は怪我に悩まされていたため、彼女は対戦相手が何をするかよりも、万全の体調でファイトナイトを迎えることに集中している。
ウォーターソン:「前の試合からだいぶ経っているし、怪我の連続で、前向きに考えることに力を注いできた。忍耐は美徳って言うけど、本当にそうだと思うし、忍耐力をずっと保っていたら、メインイベントでの試合のニュースが舞い込んできて、本当に興奮したわ。」
当初ウォーターソンはUFC 194でティーシャ・トーレスと対戦の予定だったが、膝の負傷で欠場を余儀なくされる。その後、9月のドイツ、ハンブルグの大会でアシュリン・デイリーとの試合が組まれたが、試合2週間前の右手の負傷で中止となっている。
このデイリー戦前の負傷は、ウォーターソンにとって4度目の手の骨折だった。ジャクソンズMMAで練習をする彼女は、信じられないという気持ちで頭を振ることしかできなかったという。
「ほとんどコメディみたいに思えたわ。試合間近だったの。2週間前でメディカルチェックも全て済ませて、トンネルの向こうの光が見えていたのに。飛行機の予約もしていて、私と夫でドイツに残ってフランスまで車で旅行をする予定だったの。色々と計画して予定も決まっていたの。」
そう、スパーリングでの運命の一瞬を迎えるまでは。
ウォーターソン:「スパーリングをしていて、相手の女子の頭部にパンチを入れた時に腕に痛みが走ったけど、頭にパンチをした痛みだろうから大丈夫だって思ったの。そのまま続けていて痛みが引かなくて、ラウンドが終わったあとグローブを取ったら、手に大きなコブができていたの。それでも良い方に考えようとしていたと思う。コーチ(マイク・ウィンケルジョン)に見せて、状態が悪そうに見えるんだけどって言ったら、彼は私の手を見て、これは折れてるよって言ったの。試合の直前で全て台無しになって、すごく落ち込んだわ。」
ウォーターソンにとって、これまでの道のりが楽ではなかったことは確かだ。結婚し、子供もいて、家族への責任もあった。しかし、彼女は終わったことにくよくよしない。
ウォーターソン:「振り返ってみると、すぐに手の手術を受けるべきだったかもしれないけど、過去のことでイライラするのは意味のないことね。それでも、確かに辛い一年だった。MMAファイターとして、ここでトレーニングをしながら、同時に請求書の支払いもしなければならなかったし。夫は、娘がちゃんと学校に通えて私が請求書の心配をせずにトレーニングを続けられるように、すごく頑張って長い時間働いてくれたわ。」
そういった経験を経て、今は戦うことに集中する時だ。過去8戦で7勝しているウォーターソンだが、今回の試合はヴァンザントと彼女の地元サクラメントで戦うだけではなく、ヴァンザントのメンター、ユライア・フェイバーが最後の試合をする大会だということも理解している。
それでも、試合当日、ビジター・チームのような状況になることにも心配はしていない。
ウォーターソン:「結局これは戦いなの。結局のところ誰かが私の敵だっていうことではなくて、どういうトレーニングをするかが大事なの。サクラメントでもファンからの愛をもらえると思ってる。」