By Marc Raimondi @marc_raimondi Aug 9, 2016
2年間は度を超えている。ミルコ・クロコップはそう語った。
MMAレジェンドは、月曜日のThe MMA Hourで、薬物検査では一度も陽性にならなかったにもかかわらず、USADAが彼に2年間の出場停止処分を下したことは公平ではないと、アリエル・ヘルワニに語った。クロコップは、11月に成長ホルモンの使用を認めたが、実際に陽性反応が出ている他の選手と同じ処分を受けるのはおかしいと考えている。
クロコップ:「USADAで起きたことの全て、あってはならないことだ。あってはならない。警告ならわかる。最終的に数ヶ月の出場停止ならわかる。6ヶ月とか。検査結果が完全に陰性なのに2年間の出場停止だ。試合後に検査にひっかかった選手と同じ処分だ。彼らはドーピングをした状態で、つまり体内に禁止薬物が入った状態で試合をしたんだ。それで同じ処分か?それは正しくない。」
クロコップは、11月に韓国で開催されたUFC Fight Night: Henderson vs. Alvesで、アンソニー・ハミルトンと対戦予定だったが、肩の負傷のため欠場することになる。その後間もなく、クロコップのUFCアンチ・ドーピング規定違反が発表された。クロコップがUSADAに、禁止物質であるヒト成長ホルモンを使用していたことを認めたためだ。試合に出れるよう、肩の治療のために使用したという。
このことで物議を醸した後、41歳のクロコップはMMAから引退。規定違反の発表から2週間後、UFCはUSADAがクロコップに2年間の出場停止処分を下したことを発表した。クロコップの検査結果が出たが、それは陰性だった。しかし、使用を認めたことが、処分するに十分と見なされたのだ。
クロコップはこの状況に納得していない。ブロック・レスナーのように試合後に検査の結果が出ている選手たちを目にしている。レスナーは6月28日に検査され、クロミフェンで陽性の検査結果が出たのは7月9日のUFC 200でマーク・ハントを倒した後だ。
クロコップ:「彼らは試合後に捕まった。金を自分のポケットに入れて、試合をして、金を稼いだ。それで俺と同じ処分だ。公平じゃない。だけど、もうこの話はやめよう。触れないわけにはいかなかっただけだ。俺に言わせれば、これは正義ではない。」
レスナーは2年間の出場停止処分に直面しているが、未だ裁定中のため、現在、USADAによる処分は、暫定停止処分にとどまっている。レスナーは、ラスベガスの試合会場に近い場所で検査サンプルを取られたため、ネバダ・アスレチック・コミッション(NAC)の制裁も受けることになる。
クロコップは、USADAが彼に対して行った提案も不快に感じている。彼の話によると、USADAはクロコップに対し、パフォーマンス向上薬を使用している他の選手を教えれば出場停止期間の短縮を検討すると言ったらしい。UFCのアンチ・ドーピング規定には、そういった項目がある。「アンチ・ドーピング規則違反を発見または証明する際の実質的な支援」と呼ばれるものだ。
クロコップ:「選手に対して、他の人について密告をしたら処分を軽くすると提案するなど最低だ。俺はそう思う。俺に罪があれば俺を罰すればよい。あんな提案はして欲しくない。それに完全に陰性というのは、つまり禁止物質は何も使っていないということになる。それで処分を下すのなら他の選手と同じ処分というわけにはいかないはずだ。」
2017年までクロコップがUFCで試合をすることはできないため、UFCは最近彼との契約を解除している。クロアチアのスターは、Rizin Fighting Federationと契約を交わし、9月から始まる無差別級グランプリトーナメントに参戦する。
クロコップ(31勝11敗2分1無効試合)は、USADAの行為には納得していないものの、UFC時代は楽しかったと語った。彼は今、未来に目を向けている。クロコップは今でもMMAのためのエネルギーが残っていると感じている。
クロコップ:「俺は何も間違ったことはしていない。結局のところ、そんなこと誰が気にするだろうか。終わったことだ。起きたことはしょうがない。もう終わったことだ。」