http://www.mmanews.com/the-cris-cyborg-problem/
By Jonathan Clute on May 16, 2016
遂に、クリス・サイボーグのUFCデビューを迎えた。歓迎すべき試合だ。しかし今後の道のりは、サイボーグ、UFC、そして女子MMA全体にとって複雑な状況である。
サイボーグは長い間、過去最高の女子格闘家の一人として賞賛されており、圧倒的な試合でMMAの主要人物としての地位を築いている。ホーリー・ホルムがラウジーの頭部へ蹴りを放つまでは、サイボーグvs. ラウジーは世紀の対決だった。
その試合を実現するうえでの一番の問題はサイボーグのサイズだった。彼女はInvicta FCでは145ポンドに落としているが、普段の体重は170ポンドだという。135ポンドまで体重を落とすことは彼女にとって不可能、あるいは健康上問題があったのかもしれない。しかも当時ラウジーはMMAの女王で、条件面で支配をしていたし、体重を上げることは望んでいなかった。
UFC 198では140ポンドでキャッチ・ウェイトの試合をしたが、それは135ポンドまで落とせるかどうかの試運転の意味もあったように思える。サイボーグは素晴らしかった(試合中は。試合前日の軽量の際はそうとも言えなかったが)。そして打撃力と正確さは維持していた。試合後、自分の動きが少し早く感じたと語ったが、そうなると今後彼女は恐るべき存在になるだろう。しかし、彼女は135ポンドへ階級を下げることについては言及せず、それよりもInvicta FCのタイトルを防衛すること、そしてキャッチ・ウェイトで試合をすることへの希望を語った。
これが厄介なところだ。
まず、UFCには女子の145ポンド級はない。その階級を作ったとしても、サイボーグがInvictaで直面している問題をひとつも解決しないだろう。単純に彼女と試合をできるレベルの選手が存在しない。UFCが階級を追加して、選手を登録したとしても、同じ問題をInvictaからUFCに移動するにすぎない。
ただ、長い目でみると、階級を増設することで女子が145ポンドで戦うことを後押しし、才能のある人物をさらに開拓できるかもしれない。しかし、今後才能を開花する可能性のある選手では、サイボーグの現在の能力を証明することはできない。
そして、スーパーファイトは大金を生みチケットも売れるが、女子MMAの持続可能な成長にはつながらない。その成長がサイボーグの(そしておそらくUFCの)望んでいることである。ホーリー・ホルム(その前はロンダ・ラウジー)は女子MMAを盛り上げたが、それは彼女の勝利が正式なもので(ベルトを獲得している)、そして彼女が今でもその階級で王者、前王者、として試合をしているからである。ホルムの試合は単発のものではない。
もしサイボーグが、最近のラウジー戦の要求のように、キャッチ・ウェイトのスーパーファイトを求め続けるのなら、そこにはUFCタイトルが介在しないため、長期的な成長の可能性を弱めることになるだろう。ただUFCは起こり得る短期の収入にも興味があるようだが。
UFCと女子MMAの将来にとって一番良いのは、サイボーグが別の団体のバンタム級に所属することのようだ。
しかし、サイボーグは135ポンドへの変更には興味がないようだし、前述の健康問題もある。彼女は単純にInvictaのベルトを防衛し、スーパーファイトをし続けることを望んでいるようだ。
ではUFCはサイボーグとの関係でどう動くべきか?彼女は135ポンドに落とすように説得されるべきか?サイボーグのためにUFCの階級を作るべきか?あるいは、ただ単純にスーパーファイトを狙っていくか?